2016年11月11日金曜日

左利き。


僕は左利きだ。

  金槌も刃物もみな左手。

 例外はハサミ。 左では切るのに苦労するので、知らないうちに右利きになってた。長い事右利きの社会で暮らすと両利きの側面も出てきた。 


それはさておき、実際のところ左利きの革職人さんも多いと思うのだが、左利き用の道具は殆ど無い。 


しかし、どんな分野でも道具は殆ど右利き用に作られていて、左利きの人は選択肢が少ない。電動工具もしかり。


 右手で無理して使うか、右利き用の道具を自分なりに考えて左手で使うか、自分で作るかだ。(;_;)


例えばこのネジネンという道具。


  僕は右利き用のものしか見た事がない。 右手で持った時に刃の右側が0.3ミリ程長く作られていて、革のヘリに当てて、しっかりと引きながらおさえる事で縁に平行線の念(ネン)を押す事が出来る。  装飾の意味もあるが、圧をかけているため、少しコバの強度も上がるように思う。

上の画像が多分正しい持ち方&使い方。真っ直ぐな物なら何とか右手で引けなくも無い。

しかし、曲線デザインを多用する僕の作品では、流石に難しい。。


頑張って右手で使うとしても気づけば左手に持ち替えてたり(°_°)

  


そうなると、この写真のように刃を充てて前方に押し出さなければならない。  力も入り難いので、ブレないように極めて下を持ち、気持ち斜め前下方に向けて力を入れつつ何度も往復している。 綺麗な念を押す為には余分の努力が必要なのだ。

  余談だが、左利きの人しか解らない苦労があるため、左利き同士だと分かると初対面の人でも何故か連帯意識的なものが自然と生まれる(笑)


  綺麗な作品を作ろうと思えば思うほど良い道具が必要なのは言うまでもないが、左利き用の仕立て道具が余りにも少ない。デザインの良い道具も少ない。

  しかも同じ、少し劣る品質でも右利きのものより高い。   右利き優位の社会、誰が決めたのか知らないが左利きの道具がもっと有れば良いなと思うのは僕だけでは無いはず。


 左利きの人は自分が左利きで人知れず余分の苦労を強いられているとしても、それは仕方のない事だと思い込まされて生活しているだけなのかも知れない。


  黙々と右利きの道具を使いこなす左利きの職人達に、僕はエールを贈りたいと思う。  そして道具を作る職人さんには、もっと左利きの道具をラインナップすればシェアが広がりますよと言いたい。



 

   

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